鹿革の魅力

柔らかくて軽く、適度な伸縮性と耐久性がある

「鹿革」の特徴

 鹿革は、他の革とは違い非常に優れた革として知られています。
 耐水性、通気性と保温性に優れ、水にも強く、濡れても変形しにくい特徴があります。又蒸れにくく匂いも防ぐ性質があるので、湿気の多い日本では、最適の革とされています。
 また鹿革は軽くて丈夫で柔らかいので、他の革に比べて肌触りが良くしっとりとした触感があります。適度な伸縮性を持っているので、革そのものが老化しにくいという点でも素晴らしいことだと思います。

 鹿革は日本では古来より最も親しまれてきた革であり、その歴史は飛鳥時代より始まると言われています。今も東大寺正倉院には鹿革製のものが保存されていて、1300年以上柔軟性と色彩が保たれているそうです。

 鹿革の難点と言えば、やはり供給量が少なく、野生の鹿はキズが多いことだと言われています。しかし、考えようによれば、数量の少ない貴重な鹿革バッグを持つということは、「他の人とちょっと違うものを持ちたい!」と思う方には、もってこいの商品ではないでしょうか?

鹿革との出会い

 地元地域周辺で獣害となっている鹿の革を使って、自社ブランド商品の開発を計画したところ、まず伊賀市在住で鹿肉ジャーキーなどを商品化し、販売している(有)芭蕉農林さんのことを知りました。
 そこでは鹿の皮を(株)奈良産業さんへ納めているらしく早速紹介していただき、初めて鹿の革との出会いを経験させてもらいました。

 その日は、主に中国の小さい鹿:キョンの革を見せていただきました。とてもカラフルに染色されたそれらの革は、とてもなめらかで「これが革なの?」って思うくらい優しくて上品な感じがしました。

キョンの革 写真
キョンの革

エゾ鹿の革 写真
エゾ鹿の革

 その他には、北海道のエゾ鹿の革もあり、これはキョンに比べると、はるかに大きくて、バッグ作りには最適だと思いました。しかし年間に穫っていい数量には限りがあり、供給量が少なく牛革ほど多く出回っていないそうです。